❝協会運営の再建と社会的結束に向けて❞
平素より熊本県医療ソーシャルワーカー協会の活動にご理解・ご支援賜り、厚く御礼申し上げます。
2023年6月3日に開催された社員総会および臨時理事会において、会長に再任されました久保茂樹と申します。今日では会長に就任した2年前と大きく社会環境も変化いたしました。新型コロナウイルス感染症は感染症上の位置づけが5月8日より第2類から第5類へ変更になり、マスク着用も一定の場合を除いて、個人の判断に委ねられることになりました。
今回、熊本県医療ソーシャルワーカー協会は3年ぶりに社員総会を対面で開催いたしました。その際に私より会員の皆さまに向けてご挨拶させていただいた一部をご紹介いたします。
今日の医療ソーシャルワーカーは、めまぐるしく変化する社会情勢や医療環境の影響を受け、葛藤をし続けながら実践をしています。在院日数の短縮化や在宅復帰率といったアウトカム指標が取り入れられ、その一助を医療ソーシャルワーカーが担っているのが殆どではないでしょうか。クライエントへの説明の中で、「同意」をとることは、必要なプロセスの1つとして重要視されていますが、私はこの言葉に違和感を抱えています。それは、同意というものは、端的にいうと相手の意見に賛成することの意味を表します。在院日数の短縮化や限られた人数、所属組織からの求めによって、ソーシャルワーカーの一方的な支援になりがちではないでしょうか。ソーシャルワークにおいては、自己決定とか、自立支援といったことがよく使用されますが、これらはあくまでも主体はクライエントにあるということです。つまり、同意ではなく、「合意」が必要なのです。
合意とは、両者の意思が合致することであり、合意形成とは非常に手間暇がかかるものです。ソーシャルワーク実践とは、クライエントが主体であって、クライエントが抱える欲求やニーズに対して向き合っていくプロセスです。私たちソーシャルワーカーはあくまでも、「その人のために」ではなく、「その人ととともに」ということを決して忘れてはなりません。この合意形成は、先に述べたあらゆる環境によって困難さが生じてきていることを危惧しています。医療ソーシャルワーカーは、その狭間におかれ、葛藤し続けていることでしょう。
このような問題意識から、今後の協会運営に際して次の3つの柱を意識して取り組んでいきたいと思います。
一.身近な問題意識をもって、わが熊本県医療ソーシャルワーカー協会は個々のス
キルアップや交流を重ねて、より強固な社会的結束を目指します。
一.少子高齢化、なり手不足問題に真摯に向き合い、医療ソーシャルワーカーの育
成・養成に力を注いでいきます。
一.協会運営に従事する者(理事・監事・部員)の結束と、組織運営の再建を図
り、盤石な組織体制を目指していきます。
今後とも、皆さまのご支援、ご協力を賜りますよう、どうかよろしくお願いいたします。
令和5年7月1日
一般社団法人 熊本県医療ソーシャルワーカー協会
会長 久保 茂樹
協会事務局
熊本県熊本市西区島崎2丁目22−15
青磁野リハビリテーション病院 地域医療連携室